怖いと思っていた先輩とお酒を通してバンド仲間になったこと
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息が詰まりそうな職場で
私はOL時代は
大手企業の経理部に所属していました。
経理と言っても
「主計・出納・計上」
と3部門に分かれていて総勢30人程で、
本社の最上階で
社長室の隣をワンフロア占めていました。
仕事中は皆無駄口はきかずに沈黙していて、
息が詰まりそうな雰囲気でした。
私は元々行動的で
アマチュアバンドのボーカルをしていて、
声も大きかったのです。
しかしオフィスで笑うと怒られ、
身だしなみにも注意される毎日で、
はっきり言って憂鬱な職場でした。
仕事を教えてくれた先輩も笑顔はなく、
小さな声で「これ、直して」と言ってくるので、
とっつきにくい存在でした。
ずっと断っていた飲み会に・・・
そんな部署を好きになれず、
付き合いもしたくないと思って、
飲み会のお誘いは殆ど断っていました。
ところが忘年会の幹事を持ち回りでする羽目になり、
その時は仕方なく参加するしかなかったのです。
いつもお葬式の様な部署の人達と、
お酒を飲むなんて辛いと思っていました。
そして私の当日の席は、
一番愛想が悪くて怖い先輩の隣でした。
一生懸命お酌をしようと思ったら、
「自分でつぐからいい」
と断られて更にショックでした。
仕方がないので黙って皆の様子を見ていたところ、
30分もすると段々と会話が増えてきたのです。
いつの間にか
沈黙の経理部の人達の顔に笑顔が浮かんでいました。
皆結構お酒が好きな人達で、
飲み始めると明るくなるタイプでした。
そのうちにそこにはいない上司の、
噂話や愚痴も出てくる様になり、
私は「この人達もちゃんと感情のある人間だったんだ」と感動しました。
先輩と仲良くなるきっかけに
その時私は隣の怖い先輩から
「○○さんは趣味は何?」と訊かれました。
私はお酒が入っていたこともあり、
つい「ロックバンドでボーカルやってます!」
と答えてしまったのです。
その先輩はあまり表情は変わらなかったのですが、
「どんな感じのバンド?」と質問してきました。
私はあまりにもマニアックな洋楽バンドの名前を言って良いものかと思ったのですが、
仕方なく「○○というバンドのカバーやってます」と答えました。
すると先輩は
「いいねー、俺も好きなんだよな~」
とニッコリしたのです。
驚いたことに、
その先輩は学生時代にバンドをやっていたとのことでした。
それがきっかけで先輩をバンドに誘い、
いつの間にか一緒にライブをする様になりました。
先輩は声は小さいのですが話し好きで、
ダジャレも言う人でした。
今でも会社でコツコツ仕事をしている姿と、
バンドでの姿が別人の様に思えて仕方ありません。
あの時飲み会に参加しなければ、
今頃職場がつまらなくて
転職してしまっていたでしょう。
会社の飲み会は参加しておくべきです、
お酒が入れば普段と全く違った雰囲気になります。
そして新しい人間関係が広がっていく可能性も大きいのです。
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