人生の節目にプレゼントしてもらったお酒たち
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お酒で出会った両親から
私の両親はお酒に縁をつけてもらって、
出会い、結婚したという馴れ初めがあります。
そのため子供の人生の節目には、
日付と何の記念かを書いたラベルを張った、
その年にできたお酒を両親からプレゼントしてもらう、
という謎の儀式がありました。
生まれた日、
入園式、
卒園式、
入学式、
卒業式、
受験合格等々、
一本一本両親から私をはじめ、
他の兄弟たちもプレゼントされているのです。
両親からのプレゼントは、
子供部屋におかれた棚に並べられ、
二十歳の誕生日に年代の古い順から、
両親とともに飲んでいく・・・
というのが、
我が家の親にとっては、密かな楽しみだったと思います。
初めての子供の二十歳の誕生日
一人目の子供である私が二十歳になった時、
誕生日の日は平日でした。
それでも母は仕事を半日で終えるとたくさんの料理を作り、
毎晩のように残業をしている父も、
その日は夕方5時頃に帰ってきました。
子供一人を大人にした、
20年間育てた、
という親にとっては大事なセレモニーだったのかもしれません。
私はいつものように大学を終えて、
いつもとは違い少し寄り道をしてから帰宅しました。
子供の頃から二十歳になったら一緒に飲もうね、
と楽しそうに言っていた両親の言葉。
自分の誕生日ですが、
20年間育ててくれた両親のために、
両親に逆プレゼントをしようと酒屋に行ったのです。
飲んだことのないお酒なので、
店の人と相談しながら予算内で買える、
麦焼酎を買って帰宅しました。
いよいよお酒の封を
そして家族がそろい、
夕飯の時に私が生まれた年に買ったお酒の封を、
私があけたのです。
そして、私は両親のコップにお酒を注ぎましたが、
自分のグラスには一口分しか注ぎませんでした。
というのも高校の時、
アルコールのパッチテストを
授業でしたことがあったのですが、
アルコールを湿らせたガーゼに短時間で肌が反応し、
自分がお酒を受け付けない体質だと知っていたからです。
一緒にお酒を飲める日を楽しみにして、
ずっとプレゼントしてくれていた両親に、
そのことをいうことはできず、今日まできたのです。
そしてそのことを両親に伝え、
同時に、今日買ってきた麦焼酎を両親にプレゼントしました。
私が飲めないことをもっと残念がるかなと思っていたのですが、
両親はまったく残念そうな様子はなく、
私からの逆プレゼントを本当に嬉しそうに受け取ってくれました。
そして私のために買ったお酒たちは、
私の結婚式の時に来賓の人たちに飲んでもらおうということになり、
話しが盛り上がりました。
そして、開けてしまったお酒は、両親のお腹の中に納まっています。
