日本酒を飲むときの温度。あたためたり冷やしたりで味が変わるのは日本酒だけ!

2017年4月27日

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いろんな温度で楽しめるのは日本酒だけ

暑い時期にはキリッと冷酒、
寒い時期にはじんわり燗酒、

なんていろんな温度で日本酒は楽しめます。

実は、世界のお酒を見渡しても、同じ一本であらゆる温度で楽しめるお酒というのは日本酒くらいしかないんですね。

お湯割りや水割りという飲み方はあるものの、

お酒そのものを冷やしたりあたためたりして飲むのはまぁ日本酒くらいしかない。

ワインをあたためたりすることはありますが、

その場合はスパイスを加えたりしてカクテルみたいな扱いになるようです。

もちろん自分好みの温度、飲み方を見つけるのが一番ではあるのですが、

冷酒がおいしい日本酒、燗酒がおいしい日本酒はどんなものか、

基本くらいは知っておきたいものですよね。

今回は、冷酒、燗酒の作り方や、どんな日本酒が冷酒、燗酒に向いているかを書いていきたいと思います。

温度を変えて楽しむことができるようになれば、

日本酒を楽しむ幅が広がるのは間違いなし!

日本酒のタイプによっておすすめの温度はもちろんありますが、別にルールやNGなんてありません。

自分なりにおいしい温度を探して、日本酒をより楽しんでみましょう!

燗酒についての基礎知識

日本酒をあたためると、花が開くように米のうまみと甘みが広がります。

常温では酸味が強く、重たくて苦手だな、なんて思ってしまったお酒を、温度を変えてもう一口。

味に丸みが出て、なじむようになってくるはずです。

燗酒に向いているのは、生酛、山廃等、個性が突出した日本酒。

これらをあたためることでポテンシャルを発揮します。

燗酒の作り方は簡単。

お湯を沸かした鍋を火から外し、日本酒を注いだ耐熱性コップや湯呑をお湯の中にちゃぽん。

香りを確かめて、ふわりといい香りがしてきたら、一口利き酒してみましょう。

美味しい!と思ったタイミングが、あなたにとってのベストの温度。

温度計できっちり測るのもいいでしょうが、

それくらいざっくりした感じで楽しむのが、一番おいしく飲めそうな気がします(笑)

ちなみに燗酒も温度によっていろいろ呼び方なんかが変わってきます。

日本酒の温度55度:飛びきり燗
器が持てなくなるくらいの温度です。

熟成感のあるお酒や、フルボディータイプ(味わいが豊かで、コクがある濃厚なタイプのもの)のお酒が飲みやすくなる場合もあります。

日本酒の温度50度:熱燗
少し湯気が立ち、器を触ると熱く感じるくらいの温度。

日本酒の香りがシャープになり、引き締まった印象になる温度です。

日本酒の温度45度:上燗
器を持つとあたたかいと感じるくらいの温度。

湯呑等に注ぐと湯気が立ちます。柔らかくて丸い味わいになります。

日本酒の温度40度:ぬる燗
器を持つとぬるいと感じるくらいの温度。

この温度だと香りと甘みが引き出され、ふくらみがある味わいになります。

日本酒の温度35度:人肌燗
口に含むと柔らかくまろやかな味わいが感じられる温度。

飲んでいると次第にリラックスして体がほぐれる温度です。

体に優しそうな・・・

日本酒の温度30度:日向燗
口に含んだ際に熱さも冷たさも感じないくらいの温度。

ほんのりと日本酒の香りが引き立ち、なめらかな味わいになってくる温度です。

日向燗という名前が粋ですねぇ。

基本的にはコクのある、濃厚なタイプの日本酒が燗酒には会います。

あたたかい日本酒を飲めば内臓があたたまり、

代謝が良くなる、というおまけつき。

今夜は疲れたな~、ゆっくり飲みたいな~、という気分になった時に燗酒を試してみるのはいかがでしょうか。

ドンブリや鉢なんかの大き目の器に熱湯を注ぎ、

お酒を入れたおちょこやコップをあたためる。

酒販店やデパートの食器売り場なんかに専用の燗酒器も売っていますので、興味がある方は探してみては!

冷酒についての基礎知識

日本酒を冷やすと、キリッとシャープで爽快な印象になります。

基本的には大吟醸酒や吟醸酒等の精米歩合の高い酒や、

フルーティさやフレッシュさを持った生酒が冷酒には合います。

ただし、日本酒のせっかくの香りが立ちにくくなってしまうため、

冷やし過ぎにはご注意を。

華やかな香りの日本酒の場合、口が狭くなっているワイングラスを使ってみるのもおすすめ。

見た目もきれいだし、香りを閉じ込めることも可能です。

冷酒の場合も、温度帯によって呼び方が変化します。

代表的なものは以下の通り。

日本酒の温度20度:冷や酒(=室温)
口に含むとほんのり冷たさを感じる程度の温度。

冷や酒と言っても冷蔵庫等で特別冷やしている日本酒、

というわけではなく、いわゆる室温、常温の日本酒が冷や酒、です。

冷や酒は常温のお酒ですが、冷酒は冷たいお酒。

やが入ってるか入ってないかで実は温度帯が違うんです。

日本酒の温度15度:涼冷え
冷蔵庫から出してしばらくたったくらいの温度です。

軽めの赤ワインのおいしい温度でもあります。

冷酒の温度帯の中では最も米の香りやうまみが分かる温度で、

純米吟醸等の香りやうまみを両方楽しめる温度でもあります。

日本酒の温度10度:花冷え
冷蔵庫で冷やしてたのを出した直後くらいの温度です。

白ワインがおいしい温度と同じ温度でもあります。

生酒等の新鮮さが活きる温度です。

日本酒の温度5度:雪冷え
キンキンに冷えて酒瓶の表面に結露が生じるくらいの温度です。

キリッとしていてのどごしが爽快な温度で、あまみやとろみのある日本酒にいい温度です。

ただし、冷やし過ぎると香りや味わいを感じにくくなる場合もありますのでご注意を。

冷やすのは基本的に冷蔵庫やなんかで冷やせはOKです。

氷水を入れたボウルにビンごとどぼんと入れて、くるくる回すと早く冷えますよ。

ちょっと重いな、という日本酒には、氷を入れてみるというのもあり。

度数の高い無濾過の生原酒や、酸味のしっかりした生酛や山廃酛の酒などに氷を入れるといいかも。

氷を溶かしながら、軽やかに飲むことができます。

また、日本酒1に対して炭酸1を入れる炭酸割もあり。ちょっと変わったところでは、ジンジャーエールを入れて飲むのもおいしいですよ!

ちなみに日本酒を冷たくして飲むと悪酔いするという話もありますが、

悪酔いするのは冷たいせいではありません。

冷酒は口当たりがよくなり、飲みやすくなってしまうためについついピッチが上がりがちになります。

つまり冷酒をのんで悪酔いする原因は飲み過ぎ。

そりゃ飲み過ぎれば悪酔いもすらぁな!

と、いう、冷酒からしたら迷惑な理由で悪酔いする飲み方扱いをされております(笑)

いくら口当たりがよくても飲み過ぎにはご注意を!

結構気づいたらいつのまにか酔っ払ってたりするからな~・・・。

自分好みの日本酒を、様々な温度で

買ってきた日本酒が自分の好みとちょっと違うな、と思った場合、

いろんな温度を試してみてはいかがでしょうか。

一昔前は「生酒」や「純米大吟醸」を燗酒にするのはご法度と言われていたのですが、

今は別にNGなことはありません。

一口飲んでみて、どっしりと重いな、複雑なお酒だな、と感じた場合はお燗を試してみる、

なんとなくぼんやりした印象のお酒だな、と思ったら冷酒を試してみる、

というのが基本になります。

いろんなお酒を、遊び感覚で温度変化による味の変化を試してみてはいかがでしょうか。

きっと自分だけのおいしい温度、おいしい飲み方が見つかるはず!

まとめ

・お酒に何もいれずに様々な温度で楽しめるのは日本酒だけ!
・コクのある、濃厚な日本酒が燗酒には向いています
・フルーティでフレッシュな日本酒が冷酒に向いています
・いろんな温度で日本酒を試してみて、自分に合った温度を探してみては!

常温、冷やして、燗で、と一種で三種類(以上)の味が楽しめるなんて、

日本酒ってなんてお得なんでしょうか!(笑)

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