日本酒のラベルの読み方。自分好みのお酒と出会うために!

2017年4月27日

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ラベルが読めれば、日本酒を選びやすくなる

日本酒を飲んでみたいな~、と思っても、何しろ種類が多くて何から飲んでみたらいいのかさっぱりわからない、という人も多いのではないでしょうか。

すっきりさっぱりしたもの、濃厚でコクがあるもの、フルーティーで飲みやすいもの、

さらにそこから熱燗に合うもの、冷やに合うものなんて考え始めると、もうどうすればいいのやら(笑)

もちろん自分がおいしいと思う日本酒を探すのが一番ですが、

それにしたって最初のとっかかりが分からないことには選びようがないですよね。

そこで参考になるのが、日本酒に貼ってあるラベル。

大きく書いてあるのは銘柄が多いのですが、それ以外にも見方を覚えるとラベルは情報の宝庫。

見慣れるとラベルを見るだけである程度味の想像ができるようになるかもしれません。

今回は、ラベルの情報の見方をご紹介します。

自分好みの日本酒を探す手掛かりになればうれしいです。

表ラベルの見方

日本酒の表ラベルを見ると、大半は「銘柄」、

あるいは「特定名称」しか記載されていません。

しかし、デザインは千差万別。

昔ながらの骨太な筆文字や、ワインと見まごうようなラベルまで、

それは蔵元から我々飲み手に贈られるメッセージである、と言えます。

と、いうことは、ラベルから受ける第一印象と、味のイメージが近いことも多い、ということ。

難しいことを考えず、ラベルデザインが自分好みの日本酒を買えば、

案外自分の味の好みとも会うかもしれません。

いわゆる、日本酒のジャケ買いですな(笑)

表ラベルの情報1:銘柄
酒の名前です。

蔵元の名前だったり、味わいを表現したネーミングであったり、様々です。

名前の意味や由来を知れば、酒の味わいがさらに深くなるかも!

銘柄の一例:獺祭、澪、久保田、八海山、十四代、等

表ラベルの情報2:特定名称
国税庁が定めた分類方法による、日本酒特有の名称。

米の磨き具合によって様々な名称がありますが、これが書いてあると、特定名称酒である証拠になります。

特定名称:本醸造酒、吟醸酒、特別本醸造酒、大吟醸酒、純米酒、特別純米酒、純米吟醸酒、純米大吟醸酒、等

表ラベルの情報3:肩ラベル
これに関しては貼ってあったりなかったり。

ボトルの肩のあたりに貼られているラベルのことを言います。

製造方法や使用している米の種類、酵母など、特に飲み手にアピールしたい特徴が記載されています。

肩ラベルの例:無濾過生原酒、無圧しぼり、あらばしり、山田錦100%、等

この肩ラベルは相当バリエーションがあります。

時期的なものもありますので、季節ごとにどんなものがあるか調べてみるのも面白いかもしれません。

裏ラベルの見方

まず最初にみんなに見られて、印象が決まる表ラベルが「顔」ならば、

裏ラベルは日本酒の「履歴書」と言えます。

どこで、どんな材料で造られているのか?

等々、その日本酒の経歴が表示されています。

様々な数値が記載されており、中には日本酒の甘辛の指標となる、とされているものもあります。

ただし、作り方が複雑で多岐にわたる現在の日本酒においては、必ずしも指標となるとは限りません。

最近では、数値にとらわれてはもったいないと、非公開にする蔵元も出てきています。

ここでご紹介する項目も、記載が法律で義務付けられているわけではありませんので、

全ての項目が全ての日本酒に記載されているわけではないんですね。

結局のところ、日本酒の味を知るには、自分の舌で味わうのが一番の近道、と言えます。

自分て言っといてなんですが、じゃぁ裏ラベルってなんなんだ(笑)

裏ラベルに書いてあるもの1:原材料名
純米タイプの場合、「米、米麹」とだけ書いてあります。

本醸造タイプの場合、これに加えて「本醸造アルコール」と書いてあります。

裏ラベルに書いてあるもの2:精米歩合
玄米を磨いて精米した時、玄米100%に対してどれだけ磨いているか?が分かる数字になっています。

精米歩合50%以下→大吟醸酒
精米歩合60%以下→吟醸酒、特別本醸造酒、特別純米酒
精米歩合70%以下→本醸造酒
規定無し→普通酒、純米酒

裏ラベルに書いてあるもの3:アルコール度数
日本酒100ml中に含まれるアルコールのml数のことです。

日本酒の場合は水を加えて15~16度くらいに収まるのが平均的です。

原酒と呼ばれるものは18~20度と高濃度で飲みごたえがあったり、

低アルコールのものは10~14度で、軽やかに飲めるものもあったりします。

裏ラベルに書いてあるもの4:使用酵母
酒を造るときに使用する酵母の種類です。

酵母にもいろいろな種類があり、蔵元は酒質の設計に応じて使用する酵母の種類を選択しています。

酵母の種類(例)
きょうかい6号→発酵力が強く、落ち着いた香りでまろやかな味になります。
きょうかい7号→穏やかで清楚な香りと味わいになります。
きょうかい9号→果実のような華やかな香りのお酒になります。
静岡酵母→メロンやバナナのような香りで、きれいな味に。
秋田酵母→酸が少なく、リンゴやナシのような香りになります。

裏ラベルに書いてあるもの5:日本酒度
日本酒に含まれる糖分の比重を数値化したもので、基準は0です。

この0から、数値がプラスになればなるほど糖分が少なく、マイナスになればなるほど糖分が多い、ということ。

甘口、辛口の指標になっていた時もありますが、最近の日本酒は数値がマイナスだからといって酒の味が甘いとも限らない、というのがなかなか難しいところ。

裏ラベルに書いてあるもの6:酸度
日本酒に含まれる酸の量を示しています。

日本酒に含まれる酸には乳酸、コハク酸、リンゴ酸等があり、

全体の平均は1.2~1.3程度。

一般的には酸度が高いと濃厚で、低いとスッキリした味わいになる、と言われています。

裏ラベルに書いてあるもの7:アミノ酸度
日本酒に含まれるアミノ酸の数値です。

平均値は大体1.3~1.4。

こちらも酸度と同じく、アミノ酸度が高ければ濃厚なうまみ、

少ないとスッキリした味を感じる、という傾向があります。

裏ラベルに書いてあるもの8:容量
日本酒は大体一合、二合と数えます。

一合は180mlで、十合、つまり1,800mlで一升となります。

一般的な日本酒のビンだと、大体一升ビン(1,800ml)か、四合ビン(720ml)というのが多いですね。

最近では飲み切りやすい300mlボトルサイズも多く出回っています。

裏ラベルに書いてあるもの9:製造年月
日本酒を販売するために容器に詰められた年月のことを言います。

この製造年月とは別で「酒造年度」という単位もあります。

これは酒を造った「年度」のことで、その年の7月1日~6月30日までの1年を指しています。

酒造年度、もしくはBY(Brewery Yearの略)とも表記されます。

例えば「26BY」と書かれていれば、平成26年7月1日から平成27年6月30日までの間に作られた日本酒、ということになるわけです。

裏ラベルに書いてあるもの10:製造者の名称と製造所の所在
・・・うん、これはもう、そのままです(笑)

日本酒の味を決める要素

裏ラベルに書いてあるものの中で、日本酒の味の予想をつける要素となるのが、日本酒度と酸度。

前述しておりますが、日本酒度が高ければ高いほど糖分が低く、

低ければ低いほど糖分が高くなります。

また、酸度が高ければ濃厚で、低いとスッキリ、というのが大体の指標になるんですね。

この二つを合わせると、味の予想が立てられるようになります。

日本酒度は+の数字が大きければ辛く、-の数字が大きければ甘くなるのが一般的です。

この数字がとても大きいお酒もありますが、(+25の超辛口、‐96の超甘口、等)大体+3から-3の間に収まることが多いです。

また、酸度に関しても、一般的には前述したように1.2~1.3が一般的ですが、

幅で言うと2.4~0.4くらいまであります。

ものすごく大雑把に言いますと、

日本酒度:高、酸度:高→濃厚辛口
日本酒度:低、酸度:高→濃厚甘口
日本酒度:高、酸度:低→淡麗辛口
日本酒度:低、酸度:低→淡麗甘口

と、なるんですね。

あくまでも大雑把な指標なので、大体のあたりをこの数字でつけて、

自分の好きなタイプの酒は日本酒度がいくつで、酸度がいくつくらいのものだ、という基準を作り、

いろいろ試してみてはいかがでしょうか。

まとめ

・ラベルが読めるようになると日本酒の味の予想が立てられるようになります
・表ラベルは日本酒の顔。蔵元のメッセージが詰まっています
・裏ラベルは日本酒の履歴書。具体的な数字が記載されています
・とはいえ、味に関しては飲んでみるのが一番です(笑)

今回紹介したものはあくまでも大まかな指標としてもらって、とりあえず飲んでみるのが一番!

ただし、指標があればおいしいと思ったお酒の数字を覚えておいて、

似たお酒を探す、ということは可能です!

ぜひ試してみてください。

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