お酒が出てくる落語。花見酒、芝浜、妻の酒、棒鱈
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花見酒のあらすじ
江戸っ子は花見が大好きで、花以上にお酒が大好き。
向島の桜が見ごろで、花見客がぞろぞろ行くものの、茶屋が無くてお酒が飲めない、それじゃつまらないとぞろぞろ帰ってくる始末。
そこに目を付けた二人の男。
向島に酒樽を持っていき、湯飲みに一杯5銭で売れば羽根が生えたように酒が売れるだろう、一儲けしようと画策する。
とは言え二人とも金がない。
兄貴分が酒屋を丸め込み、酒やら樽やら湯飲みやら、挙句の果てに10銭出されて釣銭がねぇと困るからと言って釣銭の5銭まで借り受ける。
これで大儲けできて、借金も無くなると意気揚々と向島へと出かけるが・・・
古今亭右朝 再生時間:23分54秒、音声のみ
花見酒について
目の付け所がいい。ビジネスチャンスを見逃さない、その眼力は素晴らしい。
さらに行動力もある。
借金があるのに巧みなプレゼンで酒屋からお酒を借り受けてチャンスをものにする、その行動力は見習うべきものがある。
現代で言えばクラウドファウンディングで出資者を募るようなもんですからね。
・・・が、酒のせいで全部台無し(笑)
もっと言っちゃえば借金があるから、これで儲けて借金返そうという志があったのに、やっぱり酒のせいで全部台無し、むしろ借金は増える(笑)
何がどーなって台無しになったのかは音声で聞いてもらうとして、でもま、酔っ払いは幸せそうだからいいのかな、と誤魔化されそうになる落語です(笑)
酒が無ければ、飲まなければうまく行ったのにって?
この二人はね、酒が無くてもロクなもんじゃないですよ(笑)
芝浜のあらすじ
腕はいいが酒好きで、飲んでばかりでここ最近河岸にも行かない魚屋。
借金が重なり、奥さんにどうしてもと言われていやいや河岸に出かける。
ところが奥さんが起こした時間が早く、まだ河岸が開いてない。
ぶつくさ言いながら海を眺めていると、芝の浜に財布が落ちている。
中を見ると42両という大金が入っていてさぁ大変。
慌てて持ち帰り、奥さんに財布を渡し、浮かれまくる旦那はそのまま酒を飲み、挙句の果てには友人をたくさん招いてどんちゃん騒ぎをするが、実はその財布は・・・
芝浜について
お酒が絡む話と言えば外せない、名作芝浜でございます。
とはいえ、お酒を飲んでて失敗していた男がお酒を止めてうまくいく話なので、このサイトのコンセプトには合ってないっちゃ合ってないんですけど(笑)
落語のことをゲラゲラ笑える芸と思っている方にはちょっと衝撃かもしれません、
なにしろ管理人は聞くたびに泣いてしまう話なので・・・
笑えるだけの芸だと思ってる方は、ちょっと長いけどじっくり最後まで聞いてほしいなぁ。
何がすごいって、談志師匠の演じる主人公の奥さんが、聞けば聞くほど愛おしいと思えてくることなんですよ。なんだろ、こんなかわいい奥さんいるの!?結婚も捨てたもんじゃねぇな!
ただ、冷静に考えると、じーさんがオバハンを演じてるだけなんですけど・・・
それでもそう思わせるのが談志師匠のすごいとこだと思います(笑)
立川談志の名前は聞いたことあるけど、落語自体は聞いたこと無いって人もいるのでは?いや、とにかく聞いてみて!
妻の酒のあらすじ
毎晩毎晩飲んで帰る男。
一緒になってからというもの、シラフで帰ってきたことがないと奥さんに嫌味を言われ、ほとほと参ってしまう。
おんなじような境遇の友人にアドバイスをもらい、早速試してみることに。
そのアドバイスとは、奥さんは普段お酒を飲まないが、いいお酒をもらったからと言ってお酒を飲ませ、酔っ払わせてしまう。
酔っ払っておかしな行動をとれば、普段亭主がおかしな行動をとるのは亭主のせいではなくて酒のせいだ、というのがよくわかるだろう、というもの。
もらったお酒を奥さんに進め、さっそくアドバイスを実行に移すが・・・
古今亭今輔 再生時間:22分42秒、音声のみ
妻の酒について
まぁ、なんというか、アドバイスの内容もなんだかいまいちピンとこないんですが、そのアドバイスを実行した挙句、結局奥さんの方が一枚上手・・・という話(笑)
酔っ払った、しかも女性を男の落語家さんが演じているわけですが、その演じ分けはなんだかすごいものがあります。
なんだろ、女の人が酔っ払ってるように聞こえるもんね・・・声はおっさんなんだけどさ・・・
余談ですが、管理人は男が女にかなうはずがないと思っており(笑)
この落語みたいな夫婦関係って結構理想に近いんじゃないかなぁと思ったりも、します。
結局亭主は奥さんに頭が上がらない、というのが正しい姿なのではないかと(笑)
棒鱈のあらすじ
連れ立って飲みに来た寅吉と熊五郎。
ちょっと熊五郎の方は酔い方のタチが良くない。今日も飲み始めはいいが、酔っ払って絡み始め、寅吉がいい加減うんざりしてきている。
途中から熊五郎が芸者を呼びたがり、寅吉がそれで機嫌が悪かったのかと芸者を呼ぶことにする。
待っている間に隣の座敷では侍が、芸者を何人か呼んで遊んでいる様子が聞こえてくる。
ところがこの侍がひどいなまりの田舎侍。
田舎侍が歌ったり騒いだりしてるうちに、また熊五郎の機嫌が悪くなり始め・・・
柳家さん喬 再生時間:21分58秒、音声のみ
今回のお話について
タイトルの棒鱈というのは、真鱈の干物のこと。
今回食材の棒鱈は関係なく、野暮天、間抜け、酔っ払いの意味も持っているのでそっちの意味での棒鱈、ですね。
何しろ酔っ払った熊五郎と田舎侍の演じ分けがすごい(笑)
落語家さん的にも、腕の見せ所なんじゃないかなぁ。
素朴に飲みの席を楽しむ侍の気持ちも分かりますが、まぁ熊五郎の気持ちも分からんではない。
酔っ払っててもイキに飲みたいってのも分かるけど、まぁ管理人の場合騒いでしまう側の人間だからな・・・(笑)
熊五郎と田舎侍のどっちに感情移入するかによって・・・まぁ、どっちでもロクなもんじゃないな(笑)
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