脂肪肝の原因はお酒・・・ではない!?意外な原因と脂肪肝対策

2017年4月21日

Pocket

Contents

健康診断で脂肪肝と言われた・・・

肝臓は沈黙の臓器とも呼ばれる臓器で、
ちょっとやそっとじゃ自覚症状が起こりません。

手術で多少切除してもやがてもとの大きさに戻るほどタフな臓器です。

7割くらいが壊れないと自覚症状が現れないそうで、
肝臓を傷める原因を放置しておくと、

取り返しがつかないくらい進行してからやっと自覚症状が出る、ということになりかねません。

脂肪肝はタフな肝臓の最初の危険信号といわれます。

会社で受けた健康診断の結果が帰ってきたので見てみると、

体に特に不調は感じないけど、脂肪肝になっているという項目が・・・

なんてことになるともう大変で、

やれ酒をやめろだの、普段から飲み過ぎだの、もう明日から禁酒しろだの、

とにかくお酒が悪者にされがちですよね。

が、脂肪肝くらいでは本人に自覚症状はないですし、

それで大好きなお酒をやめろと言われても・・・という人も多いはず。

もちろん進行すれば肝硬変になったりするケースもありますので、

ほっといていいものではないものの、

そもそも脂肪肝の正しい原因を皆さんご存じでしょうか?

イメージだけで、お酒を悪者にしていませんか?

今回は、脂肪肝の原因と対策、

それについてお酒がどうかかわるのか、ということについて書いていきます。

肝臓に脂肪がたまるメカニズム

肝機能を表す数字として、
健康診断で気になるのが「γ‐GTP」の数字ではないでしょうか。

γ‐GTPの数字は胆汁の流れが悪かったり、
アルコールの飲み過ぎで上昇します。

γ‐GTPが高ければアルコールのとり過ぎ、とは一概に言い切れませんが、

その他のALTやASTといった数値も複合的に見ることで、

肝機能低下の状態や、

それがアルコールのとり過ぎを原因とするのか、

といった状況が分かってきます。

このγ‐GTP値、
一昔前はアルコール量と比例して上昇すると考えられていたため、

「宴会指数」なんて呼ばれ方もしていたそう。

これが、脂肪肝になるとお酒が目の敵にされる原因なんですね。

ただし、最近では糖質のとり過ぎやストレスが原因になって上昇する、
ということも分かってきているようで、

お医者さんによっては「宴会指数」ではなく、
「ストレス指数」と呼ぶ、という人もいるんだとか。

ここで重要なのが、γ‐GTP値は糖質が原因でも上がる、ということ。

肝臓に脂肪がたまるメカニズムについて説明しますと、

まず、食事で糖質や脂質をとると、
小腸で吸収されて肝臓に運ばれます。

その後肝臓で分解され、
中性脂肪やコレステロールを合成してエネルギー源として血液中に放出されます。

この時、糖質や脂質をとり過ぎていると、

中性脂肪が増えすぎて肝臓に蓄積されます。

さらに、アルコールは肝臓で中性脂肪の合成を促進するため、

お酒を飲み過ぎると肝臓に中性脂肪がたまりやすくなります。

また、食事で糖質をとって血糖値が上がると、

インスリンの働きで血液中の糖分を一定に保とうとしますが、

糖質をとり過ぎるとインスリンの働きが悪くなり、

糖分は肝臓の中で中性脂肪に変換され、蓄積されます。

このように、お酒によっても肝臓に脂肪はたまるのですが、

実はお酒が原因で脂肪肝になるには相当量を飲まないといけません。

どちらかというと、糖質のとり過ぎの方が脂肪肝の原因としては多い。

飲み会にたくさん行く人が脂肪肝になるのは、

おつまみでポテトサラダ等の糖質の多いものを食べたり、

シメのラーメンでがっつり炭水化物をとるから、なんですね。

お酒よりも実は糖質、もっと言えば果糖が良くない

アルコールが原因の脂肪肝も存在しますが、

最も脂肪肝の原因になるのは糖質です。

血糖値が急激に上がると肝臓に中性脂肪がたまりやすくなるのですが、

じゃぁ血糖値を上げやすい糖質はどんなものかというと、果糖。

つまり、果物、フルーツに含まれる糖質です。

糖質には単糖類、二糖類、多糖類という三種類に分けられますが、

果糖は単糖類に分類され、三種類の中で最もスピーディに吸収される糖質なんですね。

若い女性で、お酒を飲まない人でも脂肪肝になる人が増えているそうです。

この原因の一つに、女性が果物を好むからではないか、

という説もあるんです。

朝食代わりにフルーツをとったり、
野菜代わりに大量に食べたりすると、
脂肪肝の原因になります。

フルーツはビタミンや食物繊維を手軽にとれるおいしい食材ですが、

脂肪肝の予防ということで言えば、食べる量は適量に抑え、

食べたときにはそのほかの糖質(炭水化物等)の摂取量も意識して減らしたりした方がいいんですよ。

脂肪肝にならないためのお酒の選び方

お酒自体はそれほど脂肪肝の原因にはならないものの、

飲み方によっては脂肪肝になってしまうこともあります。

そこで、脂肪肝にならないために、

お酒を飲む際に少し心掛けた方がいいことをお伝えします。

健康診断が不安な方は、

ここで書かれていることを実践すれば、

少しは安心してお酒を飲めるようになるかもしれません。

まずは、お酒に入っている糖質量を意識すること。

お酒は大きく分けて蒸留酒と醸造酒の二種類がありますが、

このうち蒸留酒には糖質が含まれていません。

蒸留酒は、ウィスキーや焼酎、ウォッカ等のお酒を指します。

糖質が気になる方は、

ハイボールや焼酎の水割りやお湯割りなんかを飲まれるようにしてみてはどうでしょうか。

醸造酒は、ビールや日本酒、ワインなどを指します。

これらのお酒は糖質を含みますが、100g当たりの糖質量で言えば、

果物(バナナ100gあたり21g前後)や、

炭水化物(米100gあたり36g前後)に比べて、

日本酒100gあたり5g前後とかわいいもの。

したがって、それほど気にすることはありませんが、

飲み過ぎるとやはり糖質が脂肪肝の原因になることもあり得ます。

ですので、例えば最初の2杯は好きなものを飲んで、

3杯目からは糖質を意識して焼酎に切り替える、

といった飲み方にすると、脂肪肝対策には有効です。

最近では、糖質0の発泡酒や日本酒も発売されてますので、

脂肪肝が気になる方は、そんな酒邪道だ!

と言わずにそれらのお酒も試してみては?

脂肪肝対策という意味では避けておいた方がいいのが、

果汁入りのサワー等。

前述したように果物に含まれる果糖はとても吸収されるスピードが速く、

しかもアルコールと一緒にとることで、さらに吸収が促進されます。

口当たりがよく、ついつい飲み過ぎてしまうのも危険材料。

インスリンの分泌を促進し、

脂肪肝だけでなく肥満の原因になることもあり得ます。

脂肪肝にならないための、お酒のつまみの選び方

脂肪肝への対策としては、

たんぱく質を多く含むおつまみを選ぶことが必須。

そこで、肉や魚、卵といったものをおつまみに選ぶといいでしょう。

肉・魚・魚介類は、アルコールの分解時に不足しがちな、

ビタミンやミネラルを補給することもできます。

たんぱく質やビタミンをとるという意味で、

チーズやナッツ類も身体にやさしいおつまみといえます。

また、意識した方がいいのが糖質を含まない食べ物をおつまみにする、ということ。

食物繊維がたっぷりの、

海藻類、きのこ類、野菜スティックなども、脂肪肝対策には有効です。

くれぐれも、2次会、3次会とはしご酒を繰り返し、

深夜にシメのラーメンを食べ、替え玉を注文する、

ということなど無いようにご注意ください。

そういう意味では、1次会で切り上げ、すぐに家に帰ってきちんと寝る、

ということも、脂肪肝対策といえるかもしれませんね。

まとめ

・γ-GTP値上昇の主な原因は、お酒の飲み過ぎでなく、糖質のとり過ぎです
・果糖は吸収されるスピードが速く、脂肪肝の原因となります
・それほど気にしなくていいとはいえ、糖質を含まないお酒もあるので、お酒を飲む際はその辺も意識してみては
・おつまみはたんぱく質、ビタミンを意識し、糖質の少ないものを選びましょう

この話を調べての感想が、脂肪肝が心配!というよりは、

まだ酒が飲める!

と思うあたりどうしようもねぇな、と自分で思う管理人です(笑)

Pocket