焼酎についての基礎知識

2017年4月27日

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焼酎の消費量は増えています!

日本酒とは違い、様々な原料が使われる焼酎。

米焼酎に麦焼酎、ちょっと臭いが苦手という人もいる芋焼酎、変わりどころでは蕎麦焼酎や黒糖焼酎なんてのもありますし、沖縄の泡盛は細長いインディカ米が使われています。

焼酎そのものの味が楽しみたい場合はロックや水割り、お湯割りなんてのもありますが、割りもので色々な味が楽しめるのも焼酎のいいところですね。

お茶割りにしてみたり、お酒の味がちょっと苦手、なんて人はフルーツのサワーにしてみたりもします。

レモンやら、グレープフルーツやら、シークワーサーやら・・・

かつては焼酎というと、一部の酒好きがたしなむお酒というイメージがあったそうですが、焼酎の消費量はここ20年で4倍に増えており、最早一部が楽しむお酒ではありません。

ちなみに管理人は、飲み会で焼酎のお茶割り作りを任された際、酒が濃すぎると怒られたことがあります。

多分、管理人に焼酎お茶割りを毎回作らせていたら、4倍が4.5倍くらいにはなっていたのでは・・・(笑)

今回は、焼酎についての歴史、種類や造り方等基本的な知識について書いていきます。

焼酎の歴史

焼酎を含めたいわゆる「蒸留酒」の起源は、紀元前にまでさかのぼります。

その後蒸留技術がアジアに伝わり、蒸留酒が製造されるようになったのは13~14世紀頃。

さらに日本に蒸留技術が伝来したのが、15世紀の琉球王国が最初。当時琉球王国は東南アジアとの交流が盛んで、シャム国(現在のタイ国)から伝わった、というのが定説です。

そこからさらに16世紀になると蒸留技術は琉球王国から奄美大島を経て鹿児島に上陸、宮崎や球磨地方に伝わり、日本各地で造られるようになりました。

日本各地の焼酎は長い年月をかけて地域の地酒として定着し、今では様々な本格焼酎や泡盛が製造されるようになったのです。

焼酎の分類

焼酎に限らず、蒸留酒には「単式蒸留機」を用いて造られたものと、「連続式蒸留機」を用いて造られたものの二種類があります。

もーのすごく大雑把に言いますと、単式蒸留機で造られた蒸留酒は原料の風味を残しており、それぞれ個性的な味や香りが楽しめます。

連続式蒸留機で造られた蒸留酒は、一度蒸留限界近くまで精製を行うため、ほぼアルコールの香りと味しかしない、ニュートラルなお酒になります。

焼酎の場合は、「単式蒸留機」で蒸留した、アルコール分が45度以下のものを「単式蒸留焼酎」と言います。「連続式蒸留機」で蒸留すれば、「連続式蒸留焼酎」。

「焼酎甲類」とか、「焼酎乙類」といった表記を見たことがある方はいませんか?

連続式蒸留焼酎の場合は甲類、単式蒸留焼酎の場合は乙類と表記されるんですね。

さらに、単式蒸留焼酎は、

1.穀類またはいも類とこれらのこうじを使用した焼酎(米焼酎、麦焼酎、いも焼酎等)
2.穀類のこうじのみによる焼酎(泡盛等)
3.清酒粕を使用した粕取り焼酎
4.黒糖と米こうじを使用した黒糖焼酎
5.その他の原料の焼酎

の5つに分類され、このうち1~4に該当するものは「本格しょうちゅう」と表示できます。

連続式蒸留焼酎は、そのまま飲まれたりもしますが、チューハイやサワー、梅酒に使われるのが一般的です。

連続式蒸留焼酎の造り方

まず、連続式蒸留焼酎の原料となる、糖質物(糖蜜)やとうもろこし、麦などから原料液を造ります。

これを殺菌しまして、一部を「培養タンク」に移動、酵母を加えます。その後、除菌した清潔な空気を通しながら、酵母を増やします。

酵母が充分に増えたら大型の「発酵タンク」に移動、残りの原料液を入れて発酵開始。

3~4日かけてアルコール分10%程度の発酵液が出来たら発酵終了。この発酵液を連続式蒸留機に入れ、蒸留限界近くの96%近くまで精製!

その後、水を加えてアルコール分を36%未満に下げ、連続式蒸留焼酎の完成です。

この工程によりアルコールと水以外の成分はほぼ完全に取り除かれます。

トウモロコシや麦などから連続式蒸留焼酎を製造する場合、精製をおだやかに行って原料の風味をわずかに残す場合もあります。

が、基本的には連続式蒸留焼酎はアルコールのほんのりとした甘い香りと味のみを有するニュートラルな酒質になります。

そのため、前述したようにチューハイやサワーに使われたり、梅酒に使われたりと、そのまま飲むというよりは別で味をつけて飲むのが普通なんですね。

単式蒸留焼酎の造り方

単式蒸留焼酎の原料は米、麦、さつまいも、蕎麦などのでんぷん質原料です。

ただし、これらの原料の出番は少しあと。まずは、蒸米もしくは蒸麦に、主に「白こうじ菌」と呼ばれるカビを生やし、約2日かけてこうじを造ります(すでに米と麦が出てきていますが、この時点では味を決定付けるものではありません)。

出来上がったこうじには白こうじ菌が生産した酵素が含まれ、この酵素がでんぷんを糖分に分解、酵母による発酵を可能にするのです。

その後の仕込みは2回。1回目の仕込みは主に酵母を増やすために行います。

小型の発酵タンクにこうじと、こうじとほぼ同量の水、さらに少量の水を加えます。

そうすると、こうじがでんぷんを糖分に分解、その糖分をさらに酵母が食べて、酵母の数がどんどん増えていきます。

充分に酵母が増えたところで、2回目の仕込み。大きな発酵タンクにうつし、米、麦、さつまいも、蕎麦などの原料と水を入れます。

比率は原料により異なりますが、大体原料1に対して水1.5~2。

こうすると、原料中のでんぷんをこうじの酵素が糖分に分解、酵母が糖分をアルコールに発酵していきます。

この2回目の仕込みの際に入れる原料によって、単式蒸留焼酎の種類が決まる、というわけ。

米を入れれば「米焼酎」、麦を入れれば「麦焼酎」、さつまいもを入れれば「芋焼酎」、蕎麦を入れれば「蕎麦焼酎」になる、ということですね。

この発酵を2週間ほど行いますと、発酵液のアルコール分は14~20%くらいになります。

これを単式蒸留機で蒸留し、アルコール分45度以下にすれば、単式蒸留焼酎の完成。単式蒸留機はアルコールや水だけでなく、その他の成分もよく留出するため、原料の風味が豊かなお酒になります。

さらに貯蔵、熟成を経て、単式蒸留焼酎は出荷されます。

こうしてできた単式蒸留焼酎は、水割りやお湯割りなど、味の無いものでアルコール度数を調整して飲むのが一般的。

特にお湯割りは、温度が上がって香りが膨らむので、素材の風味や香りを楽しめます。

そんな、薄めるなんてとんでもない、焼酎そのものの味や香りを楽しみたい!

なんて場合はストレートやロックなんて飲み方もあります。しかし焼酎は醸造酒よりアルコール度数が高いのが一般的ですので、くれぐれも飲み過ぎにはご注意を。

ちなみに余談ですが、単式蒸留機で2回、3回と蒸留を繰り返せば連続式蒸留焼酎になるか、というとそういうもんでもありません。

単式蒸留機で蒸留を繰り返せば、アルコール度数は上がり、味もクリアになっていきます。

が、蒸留限界であるアルコール度数96度まで上げようってのは並大抵ではありません。

単式蒸留を繰り返して連続式蒸留焼酎を造ることも不可能では無いでしょう。

ですが単式蒸留焼酎は原料の風味を味わう、連続式蒸留焼酎はアルコールの味のみにし、いろいろな割りもので楽しむ、とそれぞれ目的も異なります。

その意味で、単式蒸留焼酎と連続式蒸留焼酎はほぼ別物と考えてしまっていいでしょう。

まとめ

・日本で焼酎が造られるようになったのは16世紀ごろ
・焼酎には連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎があります
・連続式蒸留焼酎は、蒸留限界までアルコールを精製し、ほぼアルコールの味と香りのみにしたもの
・単式蒸留焼酎は、単式蒸留で原料の風味を残したもの

体育会系のサークルの部室に置いてあるような、4リットルとかのでっかい焼酎は、あれは連続式蒸留焼酎ということですな。つまり焼酎甲類。納得納得。何が納得なのか分かんないですが(笑)

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