普段言えない感謝の気持ちはお酒をプレゼントして伝える
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初めての一人暮らし
私が初めて両親にお酒をプレゼントしたのは、
新社会人になったときのことでした。
大学生までずっと実家で生活していたのですが、
社会人になり家を出て一人暮らしを始めました。
それまで実家では家事の手伝いは一切したことがなく、
ぬくぬくと生活していたのですが、一人暮らしを始めると、
食事の準備や洗濯、
掃除等家事の大変さを思い知らされ、
いかに今まで自分が
実家に頼っていたかということを痛感しました。
実家にいるときは、そのありがたみも分からず、
家を出るときも気恥ずかしさもあり、
お礼も言わず
わざと素っ気なく出てきてしまったことが少し心残りでした。
初めてのお給料
そんな気持ちもあり、
社会人になったら初めてのお給料で
何か両親にプレゼントをしたいと考えていました。
私の両親はともにお酒が大好きで、
毎晩夫婦仲良く晩酌するのが日課でした。
子どもながらそんな両親がとても幸せそうに見えて、
お酒ならば両親ともに喜んでもらえるかもしれないと、
プレゼントすることに決めました。
ちょうどその頃、
新入社員の研修でしばらく九州で生活していた私は、
地元の人がとても美味しそうに
芋焼酎を飲んでいるのを見ていました。
実は焼酎はあまり得意ではなかったのですが、
九州で何度か飲みに行くうちに芋焼酎の美味しさに気づき、
両親にもその美味しさを味わってもらいたいと思いました。
どうせならあまり手に入りにくい、
プレミア感のある芋焼酎をプレゼントしたいと思い、
よく行く居酒屋でどれが良いか聞いたところ、
店主から屋久島の芋焼酎「三岳」がおすすめだと聞きました。
実際に私も味わってみると、
芋焼酎独特のしつこさが気にならずすっきりとしていて、
お湯割りにするとふわっと香ばしいかおりが立ち、
とても飲みやすい焼酎だったので
これを両親にプレゼントすることにしました。
プレゼントしてしばらくすると
そして「三岳」を送りしばらくして、
父から電話がありました。
父は昔気質の人で、
自分からあまり電話をかけたりするようなことが無いので驚いたのですが、
私がプレゼントした「三岳」が
とても美味しかったとお礼を言われました。
私は社会人になれたのも父と母のおかげで、
お礼を言わなければいけないのは私の方で、
これからも夫婦仲良く元気に晩酌してねと伝えると、
父の声が少し涙声になったような気がしました。
形に残るプレゼントも素敵ですが、
お酒は家族や友人等大切な人との
ささやかな幸せな時間を作る手助けをしてくれると思います。
普段面と向かってお礼を言えないときは、
お酒を贈ってその気持ちを伝えるのも良いかもしれません。
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