お会計の時が一番盛り上がる飲み会での失敗
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金曜の中年男
金曜日の夜に職場の仲間で誘い合って出かける飲み会、それは日本のサラーリマンライフでは極一般的な習慣?とも言えるお楽しみ会でした。
ましてや若い女子社員が仲間にいれば、
中年のオジサンたちの気分も増すのでかなり盛り上がりのある会になるものでした。
そう、全て「でした」の過去形なのです。
いつからか、そんな時代が懐かしいと感じる中年男同士で居酒屋に行き、離れた席で「女子会」をやっているかつての飲み仲間を横目で見ながらの乾杯が始まるのが普通の時代になっていました。
それでもその会を何とか盛り上げようと、或る企画が提案されたのです。
それは、その飲み会の支払総額当てクイズです。
酒が進み、腹も満たされてきた頃に「お会計!」と声をかけ、店から伝票が届くまでの間に、割りばしが入っていた袋を全員に配ってその紙に予想金額を記入してもらうのです。
そして伝票が届いたら全員でその紙を広げ、誰が一番近い金額を予想したかを競うのです。
その結果、最も近い金額を予想した者は「支払い免除」となり、それ以外の者で総額を割り勘にするのです。
悲しいかな、その瞬間がこの飲み会のメインイベントであるかのように盛り上がるのです。
離れた席の女子会からも注目を浴びる程のグランドフィナーレです。
飲み仲間に現れた変化
その後の飲み会でもそれは習慣になりました。
しかし仲間たちの飲み方には少しの変化が現れ始めました。
特に比較的若い世代にその傾向がありました。
いつもの居酒屋に着席し、いつも通り「とりあえずビール!」で始まり、誰かが「すみません、焼き鳥の盛り合わせ二つお願いします」とオーダーします。
すると何人かの若者の手がテーブルの下に動くのです。
そう、テーブルの下でスマホを操作しているのです。そ
れに気づいた中年組の1人が「何だよ、こんな場でもナガラかよ」と笑うのですが、それはメールでもゲームでもなく、注文したものの値段をインプットしていたのです。
ピタリ賞を狙うが
勿論そのことは直ぐに皆に知れましたが、それですべてが正確にインプット出来、ピタリ賞がとれるものかどうかやってみろ、とのことでそれが続けられました。
やがて時が流れ、例のグランドフィナーレの時間となりました。
割りばし袋に書かれた金額を一斉に見せ合う時間です。
ピタリ賞ではありませんでしたがニアピンはスマホ組の一人でした。
そしてその勝利者インタビューでの言葉は、
「今日は支払い免除で嬉しいのですが、はっきり言って失敗でした。次回からは割り勘で支払ってもいいからもっと飲みたいし喰いたいです!」でした。
そう、彼は殆ど飲み食いをしていなかったのです。
お疲れ様でした!
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