お酒の好きな妻の実家にドンペリを。

2020年1月15日

Pocket

Contents

妻の実家は

今からもう10年以上前の事でしょうか。
結婚が決まった直後だったと記憶しております。

妻の実家は皆さん、お酒をお召し上がる方が多く、
同じく酒好きな自分をよく誘って下さいました。

とても楽しい時間を過ごさせて頂き、妻の家族皆様大好きでした。

特にお爺様は齢90オーバーにもかかわらず、
某有名ハンバーガーチェーン店のポテトを食べながら、
マグカップで日本酒をあおる、最高に格好いい方でした。

たまたま立ち寄った酒屋でなんと

確か、年始の挨拶だったと思います。

いつもは一家の長であるお爺様が大好きなお酒、
日本酒を持っていっていたのですが、
たまたま立ち寄った酒屋であの

「ドンペリニヨン」

が少しお値打ち価格で販売されておりました。

「お爺様はドンペリを飲んだ事がお有りだろうか・・・。」

自分は一度だけ飲んだ事があり、
その時その美味しさに衝撃を受けました。

是非、お爺様に味わって頂きたい。

そう強く思い、奮発してドンペリを購入致しました。

妻の実家に持参すると、ご家族皆様大騒ぎ。

もちろん、召し上ったことのある方もいらっしゃいましたが、
それでも滅多に飲めるお酒ではないので、とても喜んで下さいました。

喜びすぎて、仏壇に供える始末。

冷えて無かったこともあり、
「後でゆっくり頂きます。」
とのことでした。

その日もたらふくご馳走になり、
千鳥足で帰路につく頃にはドンペリの存在を忘れておりました。

ドンペリはどうした?

一月程経ちましたでしょうか。

ふと思い出し、妻にドンペリはどうしたか訪ねました。

一瞬、妻の目が泳ぎます。

まだ飲んでないのかと思い、
まあゆっくり味わいなよと言いました。

妻は違うのごめんねと、苦笑いしながら話始めました。

自分が訪ねてから数日後、
妻と妻の母が冷やして飲もうということになり、
仏間にドンペリを取りに行くとそこには・・・。

ティッシュで栓をした、少し減ったボトルが。

妻と母は絶叫し、
すぐにグラスに注いでみたそうですが、
炭酸は微塵も残っておらず後の祭り。

どうやらお爺様が少し味見し、
その後どうして良いか分からず、
ティッシュで栓をしたようでした。

妻の母は申し訳ないから絶対言うなとおっしゃったらしいですが、

自分は大爆笑。

お爺様に感想だけ聞いてくれと伝えると、

「初めて飲んだけど美味しかった」と。
「こんなお酒もあるんだなあ」と。

今想像しても、
あのコルク栓を一人で抜き、
マグカップに注ぎ、
味わった後、
いつも飲んでる日本酒と違い栓が出来ない事に気付き、
ティッシュを詰めて・・・。

笑いがこみ上げてきます。

その数年後、お爺様は天国に旅立ちました。

きっと、あれが最初で最後のドンペリだったと思います。

プレゼント出来て本当に良かったです。

自分がいつかあちらに伺う時に持参するお酒は・・・。
今度は一緒に味わいたいと思います。

Pocket