酒器によって日本酒は変わる。おいしいお酒をおいしく飲むために

2017年4月27日

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お酒を入れる器について

お酒を飲むとき、どんな器で飲みますか?普通に家にあるコップで?

こだわりのある人は器からこだわります。

香りの広がりや、舌への当たり方が変わるので、グラスでお酒のうまさが変わるというのは本当にあることなんです。

ワイングラス、ブランデーグラス、ストレートグラス、ロックグラスにタンブラー、カクテル、リキュール、コリンズグラスなんてのもあります。

ワインなんかはまたこだわりだすときりがなく、赤用、白用にとどまらず、高級ワイン用、お手軽ワイン用、こだわる人はブドウの種類や産地でもグラスを変えるとか。

ホントか、それ?いや、ホントみたいなんですよ。恐ろしい話だ(笑)

で、日本酒にもやっぱり合う器、これで飲むとおいしくなる器、ってのがあるんです。

もちろんこだわりだして何万円もするようなグラスをそろえる人もいるんでしょうが、皆が皆できることではないですよね。

そこまではできないまでも、形や大きさなんかを選んで、日本酒に合う器にしてみて、飲み比べてみるのはおもしろいかも。

これを読んでくれてるアナタがどう考えているかはわかりませんが、これがホントに味が変わるんですよ。

いや、日本酒って面白い(笑)

ここでは、日本酒に合う器、おいしく飲める器について書いていきます。

いつも同じコップやら湯飲みで飲んでる方は、参考にしてもらえると嬉しいですね。

お酒に合わせてたくさんは揃えないまでも、一個、日本酒飲むならこの器!っていうのを持ってみるのもいいかもしれませんね。

酒器選びの基本

酒器を選ぶ際に気を付けること3つ、をまずお伝えしていきます。

気を付けることの1つ目は、器の容量。

日本酒は、それぞれのお酒においしく飲める温度があります。温度が変わると味が大きく変わってしまうものは、注いでから早めに飲めるような小さい器にするといいんですね。

あるいは、大量に注ぐと味が散って分散してしまうものもありますので、そんな時は小さい器の方がいいです。

一回でたくさん飲みたいから、でかい器の方がいい!

という人は、飲むのに多少時間がかかっても味の変わらないお酒を選んだり、注いだお酒の温度が変わりにくい素材の酒器を使うといいでしょう。

2つ目は、口径、飲み口の広さですね。

飲み口が広い器は狭い器よりも酸化が進みやすい=より香りを感じやすい、ということになります。

この酸化の進みやすさは味の感じ方にも直接影響し、大口径のものは濃厚な味わいに、小口径のものはすっきりした味わいになる傾向にあります。

3つ目は、酒器の形状。

大きく分けるとラッパ型(口が大きく広がっている)、ストレート型(上から下まで太さが一緒)、つぼみ型(腰が広く、口がすぼんでいく)、ボウル・ワングリ型(腰が広く、飲み口までそのままの大きさ)という4種類。

2つ目の飲み口の大きさに通じるものがありますが、香りを楽しむならラッパ型、ストレート型、香りを包み込んで日本酒本来の味わいを楽しむならつぼみ型、といった選び方になります。

冷酒を飲むのにいい器

まずは、スパークリングや、フレッシュな生タイプなお酒など、冷やしておいしいお酒について。

基本的には微妙な味の差を感じることができる飲み口が極薄の酒器を選ぶといいんです。

まずはガラスの器。ま、要はグラスですね。

極薄のグラスは60年前に木村硝子店というお店が日本の高い技術を応用して、60年前にデザインしたもの。

もともとはプロペラ機時代のファーストクラス用のビールグラスとして開発されたものです。

日本の高い技術とは、電球を吹く吹きガラスの技術のことで、極めて薄く透明感の高いグラスになっています。

ストレートなコップ型や、口が開いたラッパ型などいろいろな形に加え、大きさも合わせると多種多様な形がありますので、比べてみてもいいかも。

グラスということで言えば、日本酒を飲むのにワイングラスもぴったり来ます。

冷酒を飲む際にワイングラスだと、直接本体に触らないため、温度が上がりにくいのも高ポイント。

注いだ日本酒をワインのように光にかざすと、酒の粘度や緻密さがよくわかります。

香りを楽しみたいのならボウルの大きいブルゴーニュグラスがおすすめ。
繊細な香りを持つ純米大吟醸の生酒や、フルボディタイプを注げば、丸いグラスの空間に香りがこもり、傾けるとちょうど鼻先に香りがあふれ出てきます。

それこそワイングラスには形がたくさんありますので、一つのお酒をボルドーグラスや白ワイングラスで、ひとつのお酒を飲み比べるという楽しみ方も。

グラスの形状によって、きりっとしたり芳醇になったり、酒の長所も短所もどっちも味わえます。

ガラス以外では、いろんな模様やデザインのバリエーションが目にも楽しい極薄手の磁器の酒器。

他で言えば、冷たい酒を最も冷たく味わえるのは銀や錫などの金属の酒器というのもあります。

熱伝導率に優れ、注いでもらった瞬間から指先に冷たさが伝わってきます。

これが唇の先に触れると冷たさがダイレクトに伝わってきて、クール度満点です。

さらに金属の酒器の何がいいかって、ベロベロに酔っ払って落っことしても割れないところ(笑)マイ盃を持ち歩きたい酔っ払いには、金属の酒器はいいかもしれません。

ただし、お燗を入れるととんでもなく熱いので注意!酔っ払い過ぎて、金属のマイ盃に燗酒を注がれないようにご注意ください(笑)

熱燗を飲むのにいい器

温めて飲む酒を入れる器に最も大事なのは、持ちやすいこと。
・・・いや、ホントに(笑)

熱燗を冷酒を飲むのにいい極薄の器に注ぐと放り出したくなるほど熱くなるので危険です。

燗酒に関しては、昔ながらの日本の酒器がいいんですね。熱燗は昔っから飲まれてたのだなぁ。

どぶろくやにごり酒など、雪のような白さを持つ酒を燗して飲むときは漆器が最高!

赤い漆器に白いお酒を注げば湯気が映え、美しさに感動し、黒い漆器に注げばモノクロームでスタイリッシュに。

テーブル上のアクセントになり、酒の席をより良いものにしてくれます。

飲むときには、唇にも持つ手にもすべすべのなめらかさとぬくもりがホッと嬉しいのが漆器。

機能面でも、軽くて断熱性の高い優れモノの素材です。どんなに凍てつく寒い時も、優しく付き合えるのが漆器、と言えます。

続きまして、陶器について。

備前焼のような表面がザラリとした細かい凹凸がある器は、その凹凸が酒の味をまろやかにしてくれます。

見るからに安定感がある設樂焼に関しては、力強く「たくさん飲みたまえ」と応援をしてくれているようだ、と思うのは酒飲みの目でしょうか(笑)

表面がごつごつしており、つるっと滑って落とす、という事故が起きにくいのも高ポイント(笑)

吟醸系などのスッキリタイプのお酒をぬる燗にして飲む場合は、エッジの薄い磁器がいいんです。

薄く仕上げられ、なめらかさが際立つ磁器の飲み口は、ぬるめの燗酒を極めてクリアに味わえ、酒を感じさせてくれることも。

その他には、杉の器なんてーのもあります。

杉そのものをくりぬいたシンプルイズベストなデザインで、樽型をしたものが秋田空港売店なんかで売っています。

空港の売店で売ってるってことは土産物的なものかと侮るなかれ、さわやかな杉の香りで「一人樽酒」が楽しめるという逸品です。

落としても割れないし、旅のお供にもうってつけ。

これが500円もしないというんだから、日本の酒器はすばらしい!

まとめ

・日本酒でも、酒器の違いによる味の変化はあります
・器の容量、飲み口の広さ、形で選ぶのが基本となります
・冷酒を飲む場合は、薄い器を選びましょう
・燗酒を飲む場合は、熱が伝わりにくく、持ちやすい素材がいいです

酒器にこだわるということになると、酒好きとして次のステージに上がった感じがしますねぇ。

マイ酒器、こだわってみては?

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