ビールは健康にいい!と言い切っちゃうだけの根拠5つ
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ビールは健康にいい?
今日も飲み会、まずはビールだな、なんつって最初の一杯はビール、という人も多いでしょう。
とは言えビールを飲むと太るとか、プリン体が多いから痛風の人は飲めないとか、健康面ではあんまりいい印象が無いですよね。
お酒なので、もちろん飲み過ぎたら体に悪いですし。
体に悪いものほどうまい、なんて乱暴なこと言う人もいますが、体に悪くてマズかったらマジでなんの役にも立ちませんからねぇ(笑)
ということは、ビールの取柄といえば、うまい!ってことくらい?
健康面では、百害あって一利無し?
いえいえ、そんなことはございません。ビールには様々な健康効果があるのです。
・・・なんて(笑)
今回はビールが持つ様々な健康効果について書いていこうかと思います。
あ、念のためですが、飲み過ぎにはくれぐれもご注意を・・・
あらゆる病気の原因となる、「体の酸化」
現代人は様々なストレスにさらされて生きています。
ストレスの原因となるのは環境。ざっと並べただけでも、
自然環境、生活環境、職場環境、あるいは人間関係、食習慣に運動習慣、このあたりが複雑に絡み合って、ストレスの原因となっているんですね。
何をストレスと感じるかは人によってさまざまですが、大きいストレスを感じながら日々を生きている人もいれば、比較的ストレスを感じずに生きている人もいます。
このストレスによって体に生じる最も大きなダメージが「酸化」。
酸化とは物質が酸素と結びついて起こる化学反応のこと。リンゴを切って放置しておくと断面が茶色くなったり、鉄がサビてボロボロになるのも全て酸化が原因です。
人間の体内でもこれらと同じことが起こっており、体の様々な組織が酸化・・・つまりサビついてしまうことで、老化が進んだり、体調不良を起こしてしまいます。
例えば同窓会なんかで同い年の人が集まっても、若々しい人もいれば老け込んでいる人もいますよね。
この差は、ストレスによる酸化の進み方の差、でもあるんです。
酸化が体に与える影響は様々で、
脳の細胞がサビつけば脳の機能が落ちて物忘れが多くなったり、
血管がサビつけば血管が硬くなって動脈硬化につながったり、
骨を構成している組織がサビつけば骨がもろくなって骨折しやすくなったりします。
要は酸化とは体内のいたるところで起こる、ということ。酸化する=老化する、といっても過言ではないくらいなんです。
ただ、もちろん人間は酸素が無ければ生きていけません。生命活動に酸素が必要なのはもちろんのこと、食事の際にも酸素は重要。
例えばご飯を食べた時には炭水化物を酸化させて分解し、その際に発生したエネルギーで生命活動を営んでいるんです。
ところがこの酸素、食べ物だけをうまいこと酸化させてくれれば問題ないんですが、体内のあらゆる細胞も酸化させてくれる、というわけ。
細胞が酸化するとガン細胞に変異しやすくなったり、あらゆる病気の原因になります。
とはいえ呼吸を止めるってわけにはいきませんから、酸化は生きていく以上避けられない問題である、といえるんですね。悩ましいわ~・・・
身体がサビつくのを防ぐには?
人間の体内でもサビを防ぐ抗酸化物質は作られています。それは「酵素」という抗酸化物質。
身体の酸化を進める活性酸素を除去する抗酸化物質は、「スーパーオキシドディスムターゼ」「カタラーゼ」「ペルオキシターゼ」の3つ。
が、これらの酵素は加齢とともに減少し、80代ではほとんど分泌されなくなります。
酵素のその他の働きについてはこちらから
→お酒飲んで赤くなるのを予防する方法2つ。お酒を飲んでも赤くならないサプリや食べ物とは?
つまりストレスだけでなく加齢が進むほど、体の酸化が進みやすくなるというわけ。
特にストレスの多い40~50代は、体内がとても酸化しやすい状況にあるため、そのまま10~20年たつと健康状態が危ぶまれます。
まだ体調に異変を感じなくても、今から抗酸化について意識しておいた方がいい、というわけですな。
自分で作った抗酸化物質で間に合わないなら外から持ってくるしかない・・・ということで注目されているのが強い抗酸化作用を持つ「ファイトケミカル」という物質。
ここでいう「ファイト」とは植物のこと。「ケミカル」は化学物質のことで、植物が持っている抗酸化物質のことをいうんです。
植物は動物とは違い、自分で動くことができません。
例えば紫外線や虫によるストレスがあったとしてもその場から逃げ出すことはできませんし、週末にかるくジョギングをしてストレス解消、というわけにもいかない(笑)
つまり植物が自分で作り出す抗酸化物質はすごく効果が高い、ということなんですね。
現在分かっているだけでも1000種類近くあり、代表的なのはビタミンC、ビタミンE、ポリフェノール、カロテノイドがあります。
これらの抗酸化物質は、単独で摂るよりも数種類を組み合わせた方が有効。
性質の異なるいろいろな抗酸化物質を上手に摂り入れ、酸化から身を守っていくことが必要、というわけです。
ビールの健康効果その1:抗酸化作用!
で、いよいよビールが持つ抗酸化作用の話になるわけなんですが。
ビールの抗酸化作用のもとになるのは「ホップ」。ビールの苦み成分のもとになったり、殺菌効果に泡持ちをよくする効果まである植物です。
ビールの抗酸化作用を証明しているのが、キリンホールディングスと東北大学が共同で進めた研究。
1.ビールの水溶液をラットに投与
2.活性酸素を発生させる試薬を加える
3.ビタミンEがどれくらい体内に残っているか
という実験から、血漿(血液から赤血球・白血球・血小板を除いた成分)の抗酸化力を評価する、というもの。
その結果は、1.で水を投与したラットの血漿に比べてビタミンEの残存率が有意に高く、血漿の抗酸化作用が活性化していたことが証明されたんです。
この活性化は1.で赤ワインを投与した場合と同程度だったんですね。
さらに、「体内での吸収性」という観点から見た場合、
赤ワインを投与したグループは投与後1時間後に抗酸化活性
ビールを投与したクループは投与後1時間ごと4時間後に抗酸化活性
したというんですね。
つまり、ビールには赤ワインと異なる吸収性の抗酸化成分が含まれている、ということ。
それは、「イソフムロン」「キサントフモール」というポリフェノールの一種。ビールにも赤ワイン並みの抗酸化作用がある、ということなんです!
赤ワインはあまり飲まないけれど、乾杯は必ずビール、というアナタ!ビールにも抗酸化作用があるとなれば、健康のために続けられますよね~。
ビールの健康効果その2:抗酸化作用以外にも、こんな健康効果が!
ビールには利尿効果がある、というのは聞いたことがある方も多いかと思いますが、その理由をご存知でしょうか。
それはビールの9割は水分で、浸透圧が人間の体液に近いから。
飲み過ぎると脱水症状が起こるなんて言われますが、
大量に尿が出るため、尿管結石が小さいうちはそれで排出できる、なんて使い方も。
ビールの主原料はホップ・麦芽・ビール酵母ですが、これらに含まれる栄養素も豊富。
ホップはポリフェノールの抗酸化作用に加え、鎮静作用・抗菌作用・健胃効果・食欲増進効果があります。
さらに女性ホルモンに似た効果のある「フィストロゲン」という物質も含まれており、
女性ホルモンのバランスの乱れによる更年期障害・肩こり・冷え・肌の老化の改善に効果があると言われているんですね。
麦芽にはビタミンB1・B2・B6、イノシトール、葉酸、パントテン酸、カルシウム、カリウム、マグネシウム、リン、ナトリウムが含まれます。
ビール酵母にはたんぱく質、核酸、ビタミンB1・B2・B6・B12、食物繊維が含まれています。
注目すべきはビタミンB群がそろっていること。
ビタミンB群は不足すると疲労回復を妨げたり、代謝を助けて免疫を維持したり皮膚や髪の毛を健康に保つ栄養素ですが、
それぞれ単独で働くというよりはお互いに助け合ってエネルギーの供給や老廃物の代謝に働いていますので、ひとつだけを大量にとっても他のビタミンBが不足します。
その他核酸は新陳代謝を促進して美肌にしてくれたり、たんぱく質は体内で作れない必須アミノ酸がバランスよく含まれています。
ビールに含まれる栄養素をこうして並べてみただけでも、健康と美容に良い飲み物だ、ということがお分かりいただけるでしょう!
素晴らしい飲み物ですね!ビール。美容にいいとはいえ、ぐびぐび飲んでるとおっさん臭く見えるという弱点はありますが・・・(笑)
健康効果の高いビールとは?
ビールには大きく分けて「上面発酵ビール」「下面発酵ビール」「自然発酵ビール」の3種類があります。
上面発酵ビールは、エールと総称されています。
20℃前後で発酵させるビールで、発酵が完了する頃になると酵母が麦汁の上に浮いてきて、液面に酵母の層ができるために上面発酵と呼ばれているんですね。
フルーティーな香りと豊かな風味を持つ個性的な味わいが特徴。
代表的なものにはペールエール、IPA、アビィビール、アルト、ヴァイツェン、スタウト、トラピスト、バーレイワイン、ベルジャン・ホワイトなどがあります。
下面発酵ビールは、ラガーと総称されています。
こちらは発酵が終わると酵母がタンクの底に沈殿するので、下面発酵。世界中で最も多く造られている製法のビールです。
香りは弱めでスッキリした味わいが特徴。
代表的なものにはピルスナー、アメリカンラガー、ウィンナー、オクトーバーフェスト(メルツェン)、ボックなどがあります。
ちなみに日本で売られているビールのほとんどがピルスナーです。
自然発酵ビールは、空気中に浮遊している野生酵母に発酵工程をゆだねた方式で醸造するビール。
腐敗を防ぐために苦み成分を揮発させたホップを大量に使い、酸味が強いのが特徴です。
この形式で造られているのは、ランビックのみです。
さて、健康効果が高いのはどのビールなのでしょうか?
実は製法はあまり関係なく(笑)
抗酸化作用が高い=ホップを大量に使っているビール、が健康効果が高いんですね。
ホップを大量に使っているビールとはつまり苦みの強いビールのこと。前述した中で苦みが強いのは、上面発酵ビール、エールの中に出てきたIPAですね。
ビールには国際苦み基準→IBUという単位があります。
日本でなじみ深いビールの苦みをIBUで表すと、
アサヒ スーパードライ → IBU16
キリン 一番搾り → IBU21
サントリー モルツ → IBU21
サッポロ ヱビス → IBU25
となります。
で、IPAの苦みをこのIBUで表しますと、
比較的苦みが弱い、
大阪・箕面(みのお)ビールのW-IPAがIBU56。
最強クラスに苦いもので、
ベルギー・ミッケラーのウルトラメイトがIBU1000(!)。
少なくとも数字の上では、W-IPAがスーパードライの3.5倍、ウルトラメイトに至っては62.5倍苦い、ということになります。
IPAはインディア・ペール・エールの略で、イギリスがインドを植民地にしていたころにできたもの。
当時イギリスからインドにビールを輸送するには赤道を超えてアフリカ南端部を回り、また赤道を超えてインドに行く・・・という半年に渡る過酷な航海をせねばならず、
また半年も経つとビールが腐敗してしまうことが多かった。
そのため、腐敗を防ぐためにホップを大量に入れて造られたのがIPAなんですね。
苦みが強い→ホップが大量に入っている→抗酸化物質や各種栄養素が豊富
ということになります。そのため、健康効果を期待してビールをのむならIPAがいい、というわけ。
とはいえIBU1000はやり過ぎじゃないかって気もしますが。これが、良薬は口に苦しってことなんですかねぇ(笑)
ビールの健康効果その3:認知症予防効果
ビールに限らずですが、基本的にアルコールは脳にいい影響を与えません。
脳はブドウ糖しか栄養にできず、ブドウ糖以外のものをシャットアウトするバリアのようなものを持っています。
ところがアルコールはこのバリアを通り抜けて、脳のニューロンやシナプスに直接影響を与え、酔っ払ったり記憶を無くしたりするんですね。
アルコールが脳に与える影響について、詳細はこちらから
→お酒を飲んで記憶が飛ぶのは病気!?アルコールが脳に与える影響と、お酒で記憶が飛ぶ原因と対策
ところが飲酒量が適量であれば、認知症予防に効果がある、という研究結果もあります。
アルコールには善玉コレステロールを増やしたり、血管を拡張したり血液をサラサラにする効果があるため、
適量ではこれらの効果がプラスに働き、認知症予防に効果がある、というわけ。
アメリカの5900人の高齢者を対象にした調査では、飲酒をしない人の認知症発生リスクを1とした場合、
1日当たり10gアルコールを摂取する人の認知症発生リスクは0.5程度。
つまり認知症発生リスクが半分程度になる、という調査結果があるんですね。
さらに、ビールにはキサントフモールやイソフムロンというポリフェノールが含まれています。
キサントフモールには酸化ストレスから神経細胞を守る働きがあり、神経細胞が変性状態に陥ることを防ぐ効果があると言われています。
神経細胞が傷つくと細胞がアポトーシス(一部の細胞があらかじめ遺伝子で決められたメカニズムによって、なかば自殺的に脱落死する現象)を起こし、アルツハイマー型認知症や様々な神経性疾患が起こります。
キサントフモールには、こういったアルツハイマー型認知症の進行を遅らせる効果が期待されているんですね。
また、イソフムロンには死にそうな神経細胞を生き返らせ、アポトーシスを止めた、という実験結果もあります。
イソフムロンが脳細胞に作用し、神経成長因子(NGF)を作らせ、神経細胞が復活した、ということ。
イソフムロンは脳の神経細胞にとても有効な物質なんです。
ビールの健康効果その4:動脈硬化予防
チェコの病院で、冠動脈疾患の患者30人に対して、アルコール度数4~5%の「マッカビービール」を30日間、1日1本ずつ飲んでもらうという臨床実験が行われました。
そんな実験なら管理人はいくらでも協力する・・・というか、よくよく考えたらずいぶん過激な実験ですな。
マッカビービールはチェコでは一般的に飲まれているビールで、実験の結果飲んでいないグループに比べてHDLコレステロールやトコフェノールという物質が有意に増加しました。
HDLコレステロールは善玉コレステロールと呼ばれるもので、動脈硬化の原因になる悪玉コレステロールを減少させる効果があります。
トコフェノールは脂質代謝を促進する栄養素で、血管内のコレステロール値を下げる効果があるもの。
つまり、この2つの栄養素が増えた、ということはビールが動脈硬化の予防に効果的、ということです。
さらに、認知症予防の章にも出てきたキサントフモールとイソフムロンも動脈硬化の予防に効果的なんですね。
キサントフモールは「コレステリルエステル転送タンパク=CETP」というたんぱく質の働きを阻害します。
CETPは善玉コレステロールであるHDLコレステロールを減らしてしまいます。このCETPの働きを阻害すればHDLコレステロールを増やすことができる、というわけ。
ちなみにCETPの働きを阻害する天然物質は、キサントフモールくらいしか発見されていないんだとか。
イソフムロンは、血糖値の上昇を抑えたり、コレステロールや中性脂肪の蓄積量が減り、
血液中のHDLを増加させる働きがキリンホールディングスと各大学との共同研究によって確認されています。
さらに、血管に直接働きかけて血管をゆるめ、血圧を下げる効果もあります。
イソフムロンは生活習慣病の改善や、動脈硬化の予防にも有効、ということなんですね。
なんだかすごい物質ですな、キサントフモールとイソフムロン。
ビールの健康効果その5:骨粗しょう症予防
意外に思われるかもしれませんが、アルコールには骨を強くする効果があります。
オレゴン大学の研究で、閉経後の健康な女性を対象に飲酒と骨密度の関係を調査したところ、適量の飲酒は骨を強化する薬と同程度の効果がある、ということが分かりました。
・・・はい。ここでポイントになるのはやはり「適量」ですね。「整理整頓」「早寝早起」と並ぶ、管理人の最も苦手な四字熟語、「適量飲酒」(笑)
アルコールには利尿作用があり、過度の飲酒は尿と一緒にカルシウムまで排泄してしまったり、カルシウムが小腸から吸収されるのを妨げたりするため、
骨粗しょう症に関しては過度の飲酒は危険因子となるので、ご注意を。
お酒の中でもさらにビールは骨密度を高めてくれます。
骨粗しょう症の原因の一つは、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が低下すること。
エストロゲンには骨吸収(骨の新陳代謝で古い骨が壊されること)を緩やかにする働きがあります。
加齢や、ダイエットによってエストロゲンの分泌量が下がると骨密度が低下、骨粗しょう症の原因となる、というわけ。
男性よりも女性の方が、女性ホルモンであるエストロゲンの影響を強く受けるため、女性の方が骨粗しょう症になりやすいんですね。
ビールには植物性エストロゲンという栄養が含まれており、これが骨密度を高くする原因であると言われています。
この植物性エストロゲンが女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをし、加齢に伴うエストロゲンの分泌低下を補充している。
実際スペインの大学で行った調査では、ビールを習慣的に飲んでいる女性の方が、ビールを飲まない、あるいはワインを飲む女性よりも骨密度が高いことが分かっています。
また、ビールに含まれるホップ成分にも骨密度の減少を抑制する働きがあることが分かっており、骨粗しょう症のリスクを低減してくれます。
ビールは苦いから苦手、という女性もいますが、その苦みが骨粗しょう症の予防に役立つのです。
健康な骨のためにビール、一度試してみてはいかがでしょうか?
まとめ
・ビールには抗酸化作用があるポリフェノールを含んでいます。
・さらにビタミンB、たんぱく質といった栄養も豊富
・おまけに認知症、動脈硬化、骨粗しょう症の予防にも効果的
・ただし、適量を守れば、です(笑)
こんなに健康にいいビール、こりゃ今夜も飲むしかありませんね!
・・・適量を(笑)
お酒の適量に関して、詳しくはこちらをどうぞ(笑)
→毎日のお酒の適量とは?休肝日ってどれくらい効果があるの?
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